【情報公開請求で分かったこと】志村小問題――消えた現地改築案、残された工程表
- TEAMくらデモ
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住民による板橋区への情報公開請求により、小中一貫型学校計画の出発点に関わる重要な事実が明らかになった。開示された文書に基づき、整理して報告する。
新事実① 区は現地改築を本気で検討していた
開示された文書の一つは、2018年度(平成30年度)に板橋区が株式会社アサノ大成基礎エンジニアリングに委託した「志村小学校配置計画・擁壁調査業務」の打合せ・協議記録簿(全6回)と、擁壁調査報告書、および工程表である。
この記録から明らかになったのは、2018年4月から11月にかけて、区は志村小学校の現地改築を前提とした調査・検討を丁寧に進めていたという事実だ。
第1回(4月18日)では現地の地形・擁壁・周辺環境を確認。第2回(5月23日)で「既存校舎の改築と校舎の位置等について検討」する方針が示された。第3回(8月10日)では5パターンの校舎配置案が作成され、仮校舎の配置、エレベーター設置、擁壁改良工法まで具体的に検討されている。第4回(10月9日)で擁壁調査結果が報告され、第5回(11月6日)では擁壁改良と校舎改築を一体的に進める方針が確認された。
擁壁調査報告書は、南側学校擁壁の形状が現行建築擁壁基準に適合していないこと、改築等の際には擁壁改良工事が必要であることを指摘している。ただし、これは現地改築を断念すべきという結論ではない。報告書は、擁壁改良と校舎改築を組み合わせた複数のパターンを具体的に示しており、現地改築は技術的に可能であることを前提とした検討が行われていた。
つまり、2018年11月の時点では、志村小学校を現地で改築する方向で、専門業者による調査と設計検討が進んでいた。
新事実② 「工期6年」は調査報告の工程表と食い違う
区は2019年(令和元年)11月の教育委員会で「擁壁改修の関係もあり、工期は6年間に及ぶ」と説明し、これを現地改築断念の最大の根拠としてきた。「区長への手紙」に対する回答でも、3回にわたり「令和元年11月の教育委員会で説明している」と繰り返している。
ところが、今回開示された工程表を確認すると、5パターンの改築案のいずれも、工期が「6年」に達しているようには読み取れない。
工程表は各案について、解体、擁壁改良、仮設校舎、新校舎建設等のフェーズをガントチャートで示している。最長のパターンでも6年には達していない。

この食い違いには、いくつかの可能性がある。①工程表には含まれていない工程(設計期間等)を加算して「6年」としたのか、②工程表とは別の資料に基づいて「6年」を算定したのか、③あるいは、調査結果を教育委員会に報告する過程で数字が変わったのか。
いずれにしても、教育委員会で説明された「6年」と、開示された工程表との関係は明確にされる必要がある。 この点については追加の情報公開請求が行われている。
新事実③ 「空白の7ヶ月」が浮かび上がった
最も重要な発見は、方針転換の時期が絞り込めたことだ。
2018年11月末の第6回打合せで、現地改築の調査業務は完了している。成果物は教育委員会関連の会議体に報告資料として提出された。この時点で、現地改築は具体的な検討段階にあった。
一方、2019年(令和元年)6月に公表された「いたばし魅力ある学校づくりプラン 前期計画第2期対象校対応方針」では、志村小と志村四中の小中一貫型学校としての整備方針が示されている。そして同年11月の第1回「魅力ある学校づくり協議会」では、すでにこの方向性が前提として提示された。
つまり、2018年12月から2019年6月までの約7ヶ月間に、方針は現地改築から一貫型学校へと転換された。 しかし、その転換を決定した文書は、今回の開示資料の中には含まれていない。
誰が、いつ、どのような根拠で方針を変えたのか。現地改築を前提に進めていた調査結果は、方針転換の際にどう評価されたのか。5パターンもの配置案を検討した専門業者の成果物は、どのように扱われたのか。
今後について
この「空白の7ヶ月」の解明に向けて、新たな情報公開請求が行なわれている。 対象は、方針転換期における区長・教育長レベルの協議記録、区長部局と教育委員会事務局の間の調整記録、そして「工期6年」の算定根拠を説明する文書である。
120億円を超える公共事業の方向を決定づけた判断の経緯について、くらしにデモクラシーを!板橋ネットワークは、引き続きこの問題の経過を報じていく。

