【志村小問題は終われない】開示されない「工期6年」、答えない区長、説明されない住民――志村小124億円工事の現在地
- TEAMくらデモ

- 3月24日
- 読了時間: 3分
志村小学校・志村第四中学校の小中一貫型学校改築工事をめぐり、住民が「区長への手紙」で3つの質問を出した。令和8年2月の企画総務委員会で明らかになった地下水・崩落リスク・1.6億円増額を踏まえたものだ。
届いた回答を読んで、驚いた。驚いた理由を、順に述べる。
①区長が答えなくなった
まず、回答の差出人が違う。区長ではなく、施設経営課である。
「複数回『区長への手紙』をいただいていることから、要綱第7条第3項により区長からのご回答は控えさせていただいております」。
しかし、今回の質問は過去の繰り返しではない。2月の企画総務委員会で初めて明らかになった地下水の問題、工法変更、1.6億円の増額――いずれも新しい事実に基づく新しい問いだ。それを「同じ質問」として処理し、区長名の回答を打ち切った。
しかも回答の中に「教育委員会より聞いております」という記述がある。回答した施設経営課自身が、判断の当事者ではなく、伝聞で書いている。区長は答えない。教育委員会は直接答えない。施設経営課は又聞きで答える。
②崩落リスクと1.6億円増額を「影響なし」と判断した
住民への説明がなかった理由について、区はこう答えた。
「山留工事の工法を変更するものであり、建築する学校施設の計画を変更するものではありません。そのため近隣住民の皆様への影響は変わらないため説明を行いませんでした」。
建物の設計が変わっていないから、住民に影響はない。だから説明もしない。
掘削したら想定外の地下水が出た。原設計では崩落の危険があり、施工不可能だった。工法を変更し、約1億6千万円の税金が追加で投入された。これが「影響なし」なのか。
建物の図面が同じかどうかと、住民が知るべきかどうかは、まったく別の話だ。
③「100%安全とは言えない」―一般論にすり替え
企画総務委員会で区は「100%安全とは言えない」と答弁した。今回の回答では「今以上の不測の事態が起きないとは断言しきれない部分がある」と釈明している。
一般論としてなら、そうだろう。どんな工事にも不測の事態は起こり得る。
しかし、この工事ではすでに不測の事態が起きている。事前調査で地下水を把握できず、着工後に崩落の危険が判明し、工法を変更し、1.6億円が追加された。一般的なリスクの話ではなく、現にこの現場で調査の不備があったという具体的な事実の上に立っている。それを「断言しきれない部分がある」と一般論に溶かし込むのは、問題のすり替えではないか。
そして、この工事続行を誰が判断したのか。質問では責任主体を具体的に尋ねた。 回答は「区として最終的に判断いたしました」。部署も役職も日付もない。具体的な不備があった工事の続行を、誰にも名前のない「区」が決めた。
④「工期6年」だけが残った
一つ、重要な確認ができた。
質問では「志村小の現地改築を退けた理由と、志村四中でも地盤リスクが出た事実との整合性」を尋ねた。区の回答はこうだった。
「志村小学校が『地盤の危険などの可能性があり、安全が確保できない』と説明したことはなく、またこのことを理由に『改築不可』と判断したことはございません」。
つまり、志村小の現地改築を選ばなかった理由は、区がこれまで繰り返してきた「擁壁改修の関係で工期が約6年間に及ぶ」という一点のみということになる。この数字だけが、124億円の計画を方向づけた根拠だ。
その「工期6年」の算定根拠は、今日に至るまで一度も開示されていない。
この回答が映し出すもの
124億円の公共事業で、着工後に崩落リスクが発覚し、1.6億円の追加費用が生じた。委員会では「100%安全とは言えない」と答弁された。
それに対して板橋区は、区長は答えず、住民には説明せず、責任者の名前も出さず、「影響はない」と言い切った。
問いに答えないという姿勢だけが、この計画を通じて一貫している。





見出しと写真がなかなかリアルで、読みやすく、忙しい人でも読もうという気になれる記事、工夫が参考になりますね。