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「板橋区職員さんたちと本音で語ろう会」を作りたい。

  • 執筆者の写真: 板橋区の行政書士 紫垣伸也
    板橋区の行政書士 紫垣伸也
  • 1 時間前
  • 読了時間: 6分

きっかけは、大学教員からの一言


「区政改革の勉強会ですが、議会改革ももちろん課題になります。しがきさん、もしよかったら何か面白い提案はできないでしょうか」


立教大学の教員で、板橋の市民運動家でもある和田悠さんからこう言われて、ちょっと考えました。で、実現性の可否を無視して、単純に面白そう、というイメージで、「板橋区職員さんたちと本音で語ろう会」とか良いかも、と思いました。

職員さんはできれば、区の政策に何らかの決定権を持っていそうな課長や部長や役職のある人たちが良いような気がしますが、断言するほど職員社会の内情を知っているわけではないので、とにかく有志で参加したいという職員さんであればどのような立場の方でも歓迎です。

そういった機会はできれば公の場であれば、公正で中立で、記録にも残りやすくて良いですが、とにかく区民と職員さんとが、丁寧にしっかりとなんとか一緒にやりましょう、というスタンスを大切にして、どんな仕方であってもまず始めてみるのがいいのかもしれません。

  「納得いかない」という声が聞こえてくる


板橋区内ではいろんなところで区民と職員さんとのやりとりがきこえてきます。「納得いかない」という区民の声はSNSでも流れてきます。

区民のよりよい生活のために働いている職員さん(のはずです)ですから、職員さんの多くは、できれば区民とは対立はしたくないはず。残業は増えるし、ストレスもたまるでしょうし、むしろ区民と仲良く楽しくストレスも残業も無く仕事がしたいのでは、と思います。

私も職員さんと仲良く楽しく関わらせて頂きたいし、多分、多くの区民はそう思っているのではと思います。

まなぽーと成増での「地域共生共助づくりを学ぶ」会で話す著者。民生委員・児童委員であるしがきさん、活動時こんな黄色いベストを着用することもあるんですね。
まなぽーと成増での「地域共生共助づくりを学ぶ」会で話す著者。民生委員・児童委員であるしがきさん、活動時こんな黄色いベストを着用することもあるんですね。

そういう意味で、職員さんから本音を聞きながら話をすることができれば、対立は減るかも知れないし、黒が白になることは無理かも知れないけれどグレーにはなれるかもしれないと思います。


これまでの実感として区の職員さんとひとくくりにいっても皆さんそれぞれ個人差があって、ひとくくりに批判などをすることで、感じがとても良い職員さんも一緒に批判してしまうことになり、それにより、感じがとても良い職員さんにもバリアを張られてしまうという悪循環を懸念しています。

 


法律的には可能なのか?


職員というのは前例がないとなかなか動かないのですが、前例を作るには法的な根拠があると便利です。説得しやすい、動きやすい。例えば、「地方公務員は、区民や市民団体の要望に応じて公に相談に対応しなければならない」という感じの法律の条文や、判例などがあれば、この「本音を語ろう会」の実現に使える!


そこで、板橋区の超党派の市民運動「オール板橋」の共同代表で、弁護士の中本源太郎さんを訪ねました。中本さんはこういいます。

 


地方公務員が区民などからの要望に対してどう対応すべきか、についての法規制については、以下のようなことが言える。 市民や市民団体からの要望が法令に基づく申請(許可申請など)であれば、審査基準に基づいて迅速に処理し、不可能または不適切な要望は理由を説明して拒否する。その際、処分の根拠(法令、事実、理由)を書面で説明し、異議申立の機会を告知する。 他方、市民や市民団体の要望が行政サービス改善の提案、苦情などの場合には、「全体の奉仕者」として地域社会全体の利益を優先する立場から誠実かつ公正に職務を執行し、迅速に対応する義務がある。

要望を受けたら、内容を正確に記録し、受付日時や担当者を明記し、できれば書面化する。自治体によっては「要望等記録制度」を設けて外部からの要望を体系的に管理している。対応後、必要に応じて進捗を報告する。これらは組織的なルールに基づいて行われる。要望に応えられない場合は、理由を丁

寧に説明し、代替案を提案するのが好ましい。 法的規制として直接的に「市民要望対応」を定めた条文は少ないが、服務規律や職務執行の原則が適用される。 一般的には、地方公務員法第30条に基づき、「職員は全体の奉仕者として、誠実に職務を行い、地域社会全体の利益を優先」すべきなので、この服務規律に従い、市民要望を公正に扱う義務が課されている。また、同法第33条(信用失墜行為の禁止)や第35条(職務に専念する義務)なども、職員の市民要望対応に関わる規制として機能する。 公務員は市民要望を個人的利益抜きで扱い、必要に応じて説明する責任を負っているといえる。ただ、これらの法規制が区民や市民団体の様々な要望、要求に対して公務員にどのような対応を求めることになるのかは、ケースバイケースになるのだろうと思われる。

 

 ということで、地方公務員法から読み取るかぎり、職員さんが区民と本音で語ることをことさらに推進しているわけではないが、禁止しているわけでもないことが見えてきました。



板橋区の職員さん、いかがでしょう


 板橋区の職員さんは3,822人(令和6年4月1日現在)いるそうです。  3,822人のごく一部、たとえば1%(だとしたら38人くらい)でも本音で語り合える場を作ることができれば、これまでになかった区民と職員さんとのより良い関係が構築され、それは区民のためのより良い板橋区、職員さんにとってより働きやすい板橋区に、一歩近づくことができるのでは、と思っています。

 最終的には勤務時間として位置づけで話し合うというのが、多分記録にも残ったりするのでより良いと思いますが、最初から勤務時間限定にすると、身構えられる可能性が高くなりそうな気がするので、最初は、職員さん個々の思いを尊重して勤務時間にするかどうかは職員さんにお任せ、が良いかと思いました。

©︎しがき伸也
©︎しがき伸也

 あくまでイメージで誤解を恐れずに言えば、こちらとしては入口を広くして、例えば我々に共感してくださる職員さんと勤務時間問わず接触し、その方からいろいろ本音でアドバイスをいただき、その上で、次どうするか(勤務時間にするかどうかなど)を検討する、という可能性も残しておいても良いかも、とか思ったりしています。

 

区民と職員さんとが本音で語りあいたい! そんな機会を一緒に作りませんか。

 

地方公務員法(抜粋)

第三十条(服務の根本基準)

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

第三十三条(信用失墜行為の禁止)

職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

第三十五条(職務に専念する義務)

職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。


 

 
 
 

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