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  • 執筆者の写真神双 文子(赤塚在住 自営業)

石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋、2020年6月)

更新日:2021年3月8日


叶わぬ想いを抱きながら、背筋が凍り付くのを感じながら、目まぐるしく展開する細かな描写にどんどん引き込まれていく。「(リアル)サスペンス」は久しぶりでした。一気に読んでしまいました。

 

女帝 小池百合子 目次

序章 平成の華

第一章 「芦屋令嬢」

第二章 カイロ大学への留学

第三章 虚飾の階段

第四章 政界のチアリーダー

第五章 大臣の椅子

第六章 復讐

第七章 イカロスの翼

終章 小池百合子という深淵

 

この本の内容が、事実であろうがなかろうが、女帝 小池百合子を知る人々が口々に語る「記録」であることは確かです。彼女の生き方が、人となりが、そう見えているのだから、仕方がない。

数々の政党を渡り歩いて、いつも権力者のそばにいて、手段を選ばず最終的には、この国の首相を目指す。そこに信念はあるのでしょうか。昇ることが、目的でしょうか。

自己肯定のためですか?

自己実現のためですか?

他人ではなく、自分のためですか?



自信がないからですか?

蔑まれたからですか?

女性だからですか?

非力だからですか?


そんな悩みは、多かれ少なかれ誰でも持って生きています。だから、私人としては共感はできたとしても、政治家として許すことはできません。

幼少期の環境が、大きく彼女の人生に影響したのでしょうか。あざを隠すのが当たり前で、ウソが日常の親だったら、虚言癖は仕方がないですか?

もし、お母さんが「そのままでもかわいいよ」と娘に言ってあげていたなら。みんな個性があって、どんな生き方でもまっすぐに、正直に生きるようにお父さんを戒めて、子どもたちを導いてあげていたなら・・・。私の中にいつしか同情も生まれ、また、フィクションであればと、はかない夢を見てしまうのです。

イメージが大事。

ビジュアルが大事。

細かいことはどうでもいい。


きれいな声で、横文字使って、ふわっと雰囲気で人気を獲得。 パフォーマーを目指す方には、緑色のイメージカラーや記憶に残るキャッチコピーなど、学ぶところも多いでしょう。

お見事としか言いようのない、その演技手法を武器にして女優に転向すれば、「東京アラート」も、二度と発動しないでしょう。

連日の記者会見でやる気を見せていた小池百合子は、「7つのゼロ」は達成ゼロのまま、東京都知事選出馬会見では「東京大改革2.0」を発表しました。彼女の裏の顔を知ったとき、あなたは小池都知事に東京都を託すことができるでしょうか?

 

小池百合子氏の公約


2016年「7つのゼロ

  1. 待機児童ゼロ

  2. 介護離職ゼロ

  3. 残業ゼロ

  4. 都道電柱ゼロ

  5. 満員電車ゼロ

  6. 多摩格差ゼロ

  7. ペット殺処分ゼロ

2020年「東京大改革2.0

  1. 都民の命を守り「稼ぐ」東京の実現

  2. 「人」が輝く東京

  3. 「都民ファースト」の視点での行財政改革・構造改革

 

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