いまさら聞けない? 3分でわかる! 板橋区・志村小問題
- TEAMくらデモ

- 5月16日
- 読了時間: 5分

板橋区の志村小学校をめぐって、いま大きな問題が起きています。
正直よくわからない――そんな方のために、要点を整理しました。 「3分で」と銘打ちましたが、少しだけ読み応えのある内容です。コーヒー片手にどうぞ。
Q1.そもそも何が起きているの?
板橋区は現在、志村小学校と志村第四中学校を統合・移転し、新しい「小中一貫型学校」を建設しようとしています。総事業費は当初見込みの約122億円を超えて、124億円となっています。区内でも有数の大規模工事です。
Q2.どこが問題なの?
ひとことで言えば、「決め方」と「進め方」です。
代替案の比較検討がない――志村小を現在地で改築する案(現地改築案)については、専門業者による検討が行われていたことが情報公開で明らかになっています。しかし、案間の費用比較も、他案との比較検討も行われていなかった――これは区自身が公式に認めている事実です。にもかかわらず、計画は一貫型学校案へと進められてきました。意思決定の過程はいまなお見えにくいままです。
入札も異例ずくめ――工事は2度の入札不調の末、最終的に1社のみの応札で契約。しかも、応札業者に対する十分な事前調査(資格・施工能力の審査)が行われたのかも不透明なまま、着工直後には契約金額が増額されました。「2度不調、1社応札、業者調査不透明、着工直後の増額」という経過に、疑問の声が上がっています。これだけの異例が重なれば、ふつうは立ち止まり、計画を見直すものです。
「工期6年」の根拠が揺らいでいる――区はこれまで、「現地で建て替えると工期が6年かかる」ことを、現地改築を断念する大きな理由として説明してきました。ところが、情報公開で出てきた工程表を見ると、専門業者が検討した5つの改築パターンはいずれも6年未満。区が繰り返してきた「6年」という数字が、どのような根拠で示されたのかはいまなお明確に説明されていません。
安心な防災拠点が地域から消える――志村小は高台にあり、地域の指定避難所・防災拠点として長年機能してきました。一方、移転先の志村四中は荒川氾濫時の浸水想定区域。高台にある安全な避難先を、わざわざ低地に移すのはなぜか。災害時に「どこに逃げるのか」という地域の根本的な不安に、区は正面から答えていません。
Q3.それでも、小中一貫教育には意味があるのでは?
これはよく聞かれる疑問です。9年間を見通した教育には意味がある、と考える方がいるのはわかります。
ただ、ここで問われているのは「小中一貫教育」というカリキュラムの話ではなく、志村小と志村四中を一つにまとめた校舎を建てるというハード(建物)の話です。そして、よく見るとそのハードの中身そのものが、子どもの学びにとって筋がよくない。一例です。
1人あたりの校地面積はわずか14㎡。区内の中学校平均(33㎡)の半分にも満たず、小学校平均(22㎡)と比べても大きく下回ります。住民説明会で最も多く挙がっていた要望は「十分な校庭・運動スペースの確保」でした。計画は、それと真逆をいっています。
中学生には「ホームルーム」のない教室設計。教科ごとに部屋を変えて移動する仕組みが組み込まれています。クラスの拠点となる場所をもたず、毎時間教室を渡り歩く生活は、小規模校ならばまだしも、小中一貫型の大規模校の中学生にとっては大きな負担です。環境の変化が苦手な子にとっては、なおさらでしょう。毎日がフルーツバスケットのよう。言い得て妙ですが、説明会での住民の方の発言です。
従来型の学校図書館がない。「絵本のまち板橋」を掲げる区が、新たに建てる学校に、です。小中の発達段階も無視して、廊下を図書館代わりに。
つまり、「小中一貫教育だから反対」しているのではありません。いまの設計のまま建ったら、子どもの学びの環境はむしろ後退してしまう――そういう中身の話なのです。
Q4.じゃあ、結局だれが決めたの?
実はここが、いまいちばんホットな論点です。
区はこれまで、「地元の魅力ある学校づくり協議会を経て決まったこと」という説明を繰り返してきました。たしかに、形式の上ではそうです。けれども、文書記録をたどると、話の順序が逆さまになっていることに気づきます。
情報公開で出てきた文書から、2018年11月の時点で、区は専門業者を入れて志村小の現地改築の調査・設計検討を真剣に進めていたことが分かっています。ところが翌2019年6月、「魅力ある学校づくりプラン」のなかで「志村小・志村四中の小中一貫型学校で行く」という方針が、すでに打ち出されている。第1回協議会が開かれたのは、その5ヶ月後の11月です。
つまり協議会は、方針が決まったあとにスタートしている。「協議会で議論して決めた」のではなく、「すでに決まったものを協議会に下ろした」というのが実態に近い。区自身も「区長への手紙」への回答で、協議会で出された反対意見が教育委員会でどう審議されたのか、議事録の該当箇所を示すことができませんでした。
では、誰が、いつ、何を根拠に、2018年11月から2019年6月のあいだに方針を変えたのか――この「空白の7ヶ月」の解明に向けて、追加の情報公開請求が続いています。
Q5.これからどうなるの?
工事はすでに動き出していますが、問題は終わっていません。情報公開請求で事実は少しずつ明らかになりつつあり、追加請求も進行中です。124億円という金額の話だけではありません。子どもたちの学校を、私たちの税金で、私たちの知らないところで決めていいのか。
板橋区の自治のあり方そのものを問う問題です。
「いまさら聞けない」と思っていたあなたへ。むしろ、いまから知ってください。そして、知ったらぜひ周りの方にもシェアしてください。詳しい経緯は、本サイト「小中一貫校」カテゴリの連載記事をご覧ください。続報は、引き続き当サイトでお届けしていきます。





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