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「虚偽とも捉えられるごまかし」「住民の指摘が現実に」——志村小・小中一貫校問題、6月区議会で2議員が追及

  • 執筆者の写真: TEAMくらデモ
    TEAMくらデモ
  • 2 時間前
  • 読了時間: 5分

2026年6月5日、板橋区議会本会議の一般質問で、井上温子議員(いたばし未来会議)と五十嵐やす子議員(社民党)が、志村小学校・志村第四中学校の小中一貫型学校整備問題を相次いで取り上げた。教育委員会の説明姿勢、現地改築から一貫校への方針転換の経緯、そして想定を超える地下水による工事費の増額と工期の見通し——論点は、この事業の根幹に関わるものばかりだった。

問われた教育委員会の「誠実さ」——井上温子議員

井上議員はまず、この間の教育委員会の答弁や説明に「不信感を抱かざるを得ない」と率直に切り出した。挙げられたのは、民間企業スダチと連携した不登校対策が批判を浴びた際の対応、志村小の土地について地主から「貸してもいい」と言われていたにもかかわらず「返還要求があった」との主張を繰り返してきたこと、そして住民から広くパブリックコメントを募集した後に、事前の説明もないまま計画から「イエナプラン」の文言を突如削除したこと——の3点である。

井上議員は「虚偽とも捉えられるごまかしや不透明な事業の進め方で、議会や住民を誘導したり、軽視するような手法は断じて許されません」と述べ、教育委員会に対し、答弁や説明の真実性・誠実さについての見解を質した。

現地改築はなぜ消えたのか——2018年度擁壁調査をめぐって

井上議員はさらに、2018年度に実施された「志村小学校配置計画擁壁調査」を取り上げた。文教児童委員会では擁壁の調査結果と工期の説明しかなされなかったが、実際にはこの時点で校舎の配置案まで作成されていたと指摘。現地改築が可能だった状況の中で、「誰が、いつ、どこで、どのように、なぜ一貫校へ方針転換したのか」と答弁を求めた。

これに対し長沼豊教育長は、現地調査の結果として委託事業者から「地盤は安定しているが、擁壁の形状は基準不適格であり、敷地特有の要件が多く、現地改築には非常に難易度が高い」との報告を受けたと答弁。その上で、令和元年6月公表の「いたばし魅力ある学校づくりプラン」前期計画で工事手法などを総合的に検討するとされ、その後の魅力ある学校づくり協議会での検討を経て、令和2年11月に小中一貫型学校として整備する旨の意見書がまとめられ、同月の教育委員会で整備を決定した——という、従来どおりの経緯説明を繰り返した。

「誰が、いつ、なぜ」という問いの核心、すなわち配置案の存在を委員会に示さないまま方針転換が進んだ意思決定の中身については、踏み込んだ答弁はなかった。

「住民の指摘が現実になった」想定外の地下水と工事費増額——五十嵐やす子議員

五十嵐やす子議員が取り上げたのは、第一回定例会で可決された工事費追加の議案である。想定を超える地下水量が確認され、当初の設計工法では崩落などの危険があって基礎工事以降の工事が不可能と判断されたため、工法変更を余儀なくされ、契約金を倍増させるというものだった。1億6452万7千円を増額し、事業費の総額は124億2653万5千円となった。

五十嵐議員が指摘したのは、この経過の重大な矛盾である。区はこれまで、現在の志村小学校の敷地について「地盤の危険などの可能性があり、安全が確保できない」と説明してきた。一方、住民説明会では、移転先となる志村第四中学校の敷地こそ軟弱地盤であると、住民からたびたび指摘されてきた。「住民の皆さんの指摘が現実になったにもかかわらず、地盤に不安がある中、改築工事を続けることは矛盾があります」。

五十嵐議員はさらに、工事の進捗状況、中東情勢による資材不足の影響と調達の見通し、2029年12月3日とされる現時点の工事完了予定が予算・工期ともに当初計画どおり実現できるのか、新たな住民説明会を行わないとする区のその後の対応状況を質した。その上で、「崩落などの危険性があることが判明しながら、その土地で建築工事を進めることは、子どもたちの命や学びの環境を軽んじることにつながるのではないか」として、「工事を一旦中止し、計画の見直しをここですべきである」と強く指摘。あわせて、雨漏りやトイレの悪臭が深刻な現校舎について、一貫校工事の完了を待たない早期の改修工事を求めた。

区長・教育長の答弁——「計画見直しは予定していない」

坂本健区長は、工事は令和7年8月に着工し、現在は土を掘り出す土工事の段階で、今後躯体工事へ移行する予定だと答弁。土工事や躯体工事の段階では中東情勢の影響は少ないと聞いているとしつつ、「今後の工程において影響が想定されるため、資材の早期確保など、実務者との協議を進めたい」とし、現時点で令和11年度の工事完了を目指すとした。工事費については、急激な物価・労務単価の上昇が続いているため「インフレスライド条項を適用するなど、受注者と協議しながら適切に進めたい」と述べた。

近隣住民への対応については、令和7年7月に工事説明会を開催したことを挙げ、工事中は工事看板で工程を周知し、「問い合わせがあった場合においては個別対応」するとの答弁にとどまった。新たな説明会を開く考えは示されなかった。

長沼教育長は、築50年が経過した志村第四中学校の老朽化は「承知している」としつつ、新校舎の改築工事が進んでいることから大規模な改修工事は難しいと答弁。雨漏りや異臭などには早急に対応しているとし、「計画を見直すことは予定していない」と明言した。

残された問い

今回の質疑で改めて浮かび上がったのは、次の三点である。

第一に、現地改築から一貫校への方針転換の意思決定過程が、依然として不透明なままだということ。配置案まで作成されていながら、その詳細が議会の委員会に示されなかった事実への説明は、今回もなされなかった。

第二に、「想定外」の地下水である。住民が説明会で繰り返し指摘してきた軟弱地盤の問題が現実のものとなり、工法変更と巨額の増額に至った。事前の地盤調査は十分だったのか。「想定外」という言葉で済ませてよい問題ではない。

第三に、これだけの事態が生じてもなお、区が新たな住民説明会を開かず、「個別対応」にとどめようとしている姿勢である。約124億円の公共事業の当事者は、近隣住民であり、なにより毎日この工事現場のかたわらで学ぶ子どもたちである。

くらデモは今後も、情報公開請求や議会の質疑の検証を通じて、この問題を追い続けていく。

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