「志村第四中学校の単独改修と賛否調査等を求める陳情」「志村小学校の借地契約継続を求める陳情」に関する審議内容を書き留めました。メモに基づく要約・意訳で、2 時間半に及ぶ発言を網羅できず、発言内容も不正確・不十分な記述ですがご容赦ください。追って公開される議事録をぜひお読みください。
●借地問題で重要な情報操作と隠蔽が発覚
五十嵐区議(民主クラブ)と熊田区議(民主クラブ)が地権者である熊野神社石川氏に直接確認し、以下の発言を紹介して区側の欺瞞を追及。
「借地返還は区側からの提案であって地権者として要望した事実はない。先月も自分たち
は返還を求めていないので子どものため地域のために使ってほしい、土地を貸し続ける意
志はあると区に伝えた。志村小廃校は地権者の神社が借地返還を求めたからという誤解が
広がり大変迷惑している」
早川学校配置調整担当課長は「石川氏とは常時連絡を取っている」といいながら、この事実 を公表せず「文書は受け取っていないがその趣旨のメールは受け取った」と認める。
小林区議(日本共産党)から「地権者から返還要求があったので」と検討会やニュースで何度も説明されていたが、実際には令和 2 年 12 月に区から既に地権者に志村小はなくなるのでと説明し、区側から借地返還が提案されていたとはこれまでの説明が虚偽となるのではないか」と迫る。
熊田区議 は 「【要望】では地権者の意志とみなされる。実際は【承認】ではないか。正しく表記する気はないのか」と質す。
早川学校配置調整担当課長は「真摯に対応する」との回答。
井上区議(いたばし未来会議)から「この経過は不都合な情報しか出さない区の情報操作ではないか、民主主義の基本を逸脱した決定ではないか」との追及に、早川課長は「そう受け取られても仕方ない」と答弁。さらに「借地返還に関する契約書はあるのか」との質問には「ない。口頭約束だけ」と答弁し、「土地取引に書面がないはあり得ない。情報共有の記録もないのか?」と質されると「時間が経っているので不明」と答え、その不誠実さはあきれるばかりでした。
●計画の入り口からミスリードで推進、賛否を問い直すべき
小林区議からの「地権者の意志は検討会に説明したのか?」との質問には早川課長は「跡
地利用計画も進んでいて、大きな方向転換になるのでしなかった」と答弁。
そもそも「地域の協議会の意見書の内容を最大限に尊重して一貫校整備を決定」(令和2年11月) との説明も欺瞞的。協議会議事録を読むと小中一貫校を最初から進んで望んだ委員はなく、教育委員会から志村小改築の困難と利点だけの一貫校の強い説得を受けて「やむを得ず」の選択であることは明らか。
井上区議からは、「令和2年のアンケートでは 8 割の保護者が一貫校をよくわからない回答
しながら一貫校に通わせたいですかに賛否を問われており、「通わせたい」と「ここ(志村四中)に一貫校を建てていいか」は別問題でこのアンケートが錦の御旗になるわけがない。立ち止まって仕切り直すべき。今進めていることは禍根を残す」と強い主張があった。
最初に鈴木区議(公明党)から「賛否調査の意志はあるか」との質問に、区側は「当事者の見解を聞く必要はある」と答えていたが、この後「アンケートをとるとすればどういう学校になってほしいかの調査」に後退。「陳情が指摘する合意の指標はあるのか」という問いに も「明確にはない。答えは持ち合わせていない。理解を求めて説明会を重ね、真摯に対応し
てきたことが合意形成と考えている」と意味不明な答弁。
鈴木区議からも「陳情のような反対意見が多いのであれば、もう二重三重の説明なしには前へ進めないのではないか」との意見がありました。
●「経費削減が目的でない」を翻す・板橋区は少人数学級推進の意志なし
実証区議(公明党)からの「志村小全面借用の考えはなかったのか?」との質問には「移動
に時間がかかるので授業には使えず部活用の第 2 グランド目的なら全面は必要ない。経費も かかる 。20人学級は国の方針になく教員も不足している現状なので想定していない 」と答
弁。
五十嵐区議は「志村小の廃校と借地返還は経費削減が目的ではないとこれまで区は明言してきたのにここにきて借りる必要がない、経費もかかり借用継続は難しい」では区との信頼が成り立たないと追及。
●その他の質疑・意見
小林区議「志村小は学校長寿化計画であと 35 年保全すべ き学校と決定されて いる。 なぜ 実 行しないのか?」「志村小改築の仮校舎を志村四中にと提案した時、志村四中にメリットがないと否定された。代替地に志村四中は使えたはず。同じ仮校舎を志村四中改築に
も利用できたはず。仮校舎生活 6 年の子どもが出てくるのはかわいそうというが、地域の 100 年の不幸不合理のほうが問題ではないか」
熊田区議「 2046 年までの借地契約は今も有効。これまでの話し合いの前提が崩れて、決定の正当性が疑われる。初めから前提になる認識のの齟齬があり正しく検討されたとはいえない。アンケートも取り直して正しく意見を聞く必要がある」
五十嵐区議「志村四中の現状と改修の必要は何度も訴えてきた。志村小の改築は現代の
技術でできないはずがない、なぜやらないのか? 大山小廃校跡地にはマンションが建ち、
子どもの数が増え教室不足になっている。諸条件をよく勘案して安易な学校統廃合はやめ
るべき」
井上区議「アイキッズの1人あたり校庭面積は3.9㎡となり区内最低、国の基準を満たしているのか?」これに対して区は「基準はなく、室内空間を広げて対応できる」と、子どものために良い環境を作ろうという気概のない回答。 井上区議「小中全クラス体育授業の校庭利用 シュミレーションは行ったか」には、「35週× 29コマは1000を超え、無理。必要授業とコマ数の概算だけやった」の回答。井上区議は「無理と行っても一貫校が始まれば現場教師はそれをやることになる。運動会など小中ご
との行事使用対応も必要になる。どれだけ大変なことを強要することになるかわかっているのか」と教育委員会の姿勢を質した。
●横川区議(自民党)の反対討論
①協議会・検討会の度重なる議論を尊重しなければならない。多くの区民の賛同があり、期待に反することはできない。多くの先行事例で成果があり、子どもの不安を解消しなければならない。
② 過去16回も地域説明会を実施しており、7 階建てを 5 階に するなど適切に意見も反映
している。
③工事延期すればさらに環境悪化を招く。計画は前に進めるべき。
Comments