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駐輪場ありき、でいいのか――旧中央図書館跡地めぐり区議会で論戦

  • 執筆者の写真: TEAMくらデモ
    TEAMくらデモ
  • 2月19日
  • 読了時間: 5分


2月18日の板橋区議会・都市建設委員会で、「旧中央図書館跡地整備構想・整備計画のまとめ」が中間報告として提出されました。各種調査結果を踏まえた検討内容が報告され、活発な質疑が交わされました。以下、その概要と論点を報告します。


跡地問題のこれまで

1970年(昭和45年)に開館した旧板橋区立中央図書館(常盤台1-13-1、RC造地下1階地上3階建て、延べ約2,907㎡)は、老朽化に伴い2020年12月に閉館。新中央図書館は板橋区平和公園内に移転・開館しています。


広く愛されてきた中央図書館、その跡地利用をめぐって地域住民と板橋区がせめぎ合っている。(イメージ図)
広く愛されてきた中央図書館、その跡地利用をめぐって地域住民と板橋区がせめぎ合っている。(イメージ図)

跡地については、2025年2月の企画総務委員会で「旧中央図書館跡地活用方針」が決定され、


(1)隣接する常盤台公園と一体的に活用し地域の魅力向上を図ること、

(2)ときわ台駅周辺の安定的な自転車駐車場運営を実施すること、

(3)既存建物の有効活用を視野に入れ環境負荷低減と費用対効果の向上を目指すこと


の3本柱が示されていました。整備構想・計画の策定支援業務は、プロポーザル審査を経て千代田コンサルタントが担当しています。

4つの整備案――区は「案(1)」を推す方向


今回の中間報告では、既存建物の活用度合いに応じた4つの比較案が示されました。




区は(1)~(3)を軸に検討を進めるとし、土木部長は「(1)がベストであると思っている」と踏み込んだ答弁をしました。既存建物の活用についてはフレーム(柱)だけを残す方向で、最大1,400㎡の床面積が使用可能とのことです。


田中いさお委員(公明)が「比較表からはどう見ても(1)がよい。区として自信をもって進めたらよい」と後押しした一方、川口雅敏委員(自民)は「対立する意見もある中でどう調整するのか」という問いかけ、それに対して区は「何が本質かを考えながら決めていく」と答えるにとどまりました。

駐輪場は「設置ありき」――だが異論も


区の方向性は、駐輪場の設置ありきで進んでいます。 地下部分をスロープ式駐輪場として活用する方針はすでに既定路線とされ、委員会でも、おばた健太郎(民主ク)委員の質問に対し、区は「スロープ状がよいと考えている」と回答しています。


背景には、ときわ台駅北口エリアの4か所の区営駐輪場のうち3か所が民有地借用で不安定なこと、定期契約のキャンセル待ちが587台(2025年9月末時点)にのぼるという事情があります。区はこの「地域課題の解決」を跡地活用の大きな柱と位置づけています。


しかし、この「駐輪場ありき」の方向に対しては、地域から異論もあります。 常盤台小学校周辺の放置自転車・無秩序駐輪の問題に、地元で長年にわたって声を上げ改善を求めてきた住民から、跡地への駐輪場設置には疑問の声が上がっています。放置駐輪の問題に地元で取り組んできたからこそ、その問題の解決策として、貴重な公共用地を安易に利用するのはいささか軽率でないか、との指摘です。


駐輪需要への対応は確かに地域課題ですが、それがこの跡地でなければならないのか。地上部分の施設づくりにどう影響するのか――住民の間でもっと議論されるべきテーマです。板橋区は住民としっかりと話し合いの場を持つ必要があると考えます。



「日常交流の場」か、目的ある活動の拠点か


区は跡地施設の地上部分について、「イベントや飲食も可能で、無料で、フラッと来た人が利用しやすい"日常交流の場"」をイメージしていると説明しました。


これに対しておばた委員(民主ク)は、「フラッと来る人だけでなく、一定の目的を持った人たちの活動の場も必要だ。音楽等の要求もあるのだから、フロアをパーテーションで仕切って各目的に沿って使えるようにすべき」と提案。ワンフロアではなく仕切って使える構造を求めました。区は「多目的に使える可変性のある空間にしたい」「前向きに検討する」と応じました。


文化・芸術は「公益」ではないのか


いわい桐子委員(共産)は、「駐輪場は公益だから作るが、音楽ホールはダメだという。公益とは誰のためのものか。住民が望む文化・芸術も公益ではないか。文化・芸術はいつも後回しにされるが、もっと重要視すべきだ」と主張。費用の最もかかる(4)案についても「排除するのではなく、選択肢として残しておくべきだ」と主張しました。


この「音楽ホール」をめぐっては、以前から地域住民による署名活動が行われてきた経緯があります。板橋区内には音響設備の整った小規模音楽施設がなく、100名程度の小ホール建設を求める陳情が区議会に提出されたこともありました。2020年(令和2年)の第1回定例会で否決されています。当該地域は第一種低層住居専用地域であり用途規制上の課題がありますが、建築基準法第48条のただし書きによる許可の可能性も指摘されています。

小柳しげる委員(共産)は、「音楽ホールは作れなくとも、公園や建物を利用してコンサート等の開催は可能か」と質問しました。区は「音楽やギャラリー等が可能となる運営を考えていく。けやきの公園では野外音楽会を行っている」と答弁しました。


今後のスケジュール――3月の住民説明会が重要!


今後の流れは以下の通りです。


▼ 住民説明会(事前申込制・定員各50名)

  • 3月19日(木) 18:30~19:30 常盤台地域センター

  • 3月22日(日) 10:00~11:00 常盤台地域センター

  • 申込期間:2月24日~3月10日(電子申請または郵送)


▼ 今後の大まかな予定

  • 2026年度(令和8年度)中:ワークショップ等を経て「基本計画」を策定

  • 2027~2028年度(令和9~10年度):基本設計・実施設計

  • 2029~2030年度(令和11~12年度):施設建築物整備工事

  • 2031年度(令和13年度)以降:公園工事


私たちの声が計画を動かす


区は(1)案で進めたい意向を示していますが、最終的にはワークショップや説明会を通じた住民の意見を踏まえて決定されるとしています。


しかし、現状のままでは駐輪場の設置は所与の前提として扱われ、地上部分の施設内容も「日常交流の場」という漠然としたイメージにとどまっています。文化・芸術活動をどこまで組み込むのか、誰のための「公益」なのか、そもそもこの場所にどんな公共空間がふさわしいのか――住民の側から具体的なビジョンを突きつけていく必要があります。


3月の説明会に足を運び、声を届けましょう。


地域からは、区の担当者との直接の話し合いの場を求める動きも出ています。進展があればお知らせします。


 
 
 

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