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  • 執筆者の写真TEAMくらデモ

大山再開発、4つの現場とその問題点―いま、板橋区大山で何が起きているのか

全国有数の長いアーケード商店街で有名なハッピロード大山商店街。アーケードの一部が取り外され、タワーマンションが建設される計画が急ピッチで進められています。タワマン型再開発は純粋な民間事業ではありません。そこには巨額の税金が投入されています。だからこそ、大山地区のタワマン型再開発の問題は、区政の問題、政治の問題です。 タワマン型再開発で、住み続けたい人が住み続けることのできる地域が壊されています。大山再開発、4つの現場とその問題点を紹介します。

①都市計画道路 補助第26号線  ●商店街を破壊する、害しか生まない不要な道路


 終戦直後の1951年の復興計画で決められた道路計画。商店街の3分の1が消滅する道路計画に反対する者は多く、用地買収も5割以下。店主や住民らでつくる「「大山問題」を考える会」がアーケード撤去に反対する1400筆以上の署名を商店街執行部に提出するも、執行部は予定区域のアーケード撤去をどんどん進めようとしている。

②クロスポイント周辺地区再開発事業 

●役員名すら隠蔽、秘密主義の再開発 

2021年9月に着工した。85億円もの公費(税金)が投入されるのに、再開発組合の役員名すら非開示。30軒以上の店舗が工事着工によって失われた。1週間だけ掲示された権利変換告示によると、店舗部分は推定16区画程度あるが、既存店舗で入居するのは3店舗のみ(これも情報非開示)。元のお店はなくほとんどなくなる。


新マンションは管理費等が高くなり、客単価の高い店しか採算合わないと推測される。現在のハッピーロードの「庶民の店」は無くなるだろう。なお、予定地内の土壌汚染対策で7ヶ月工事が遅れた上に、補助第26号線が不通のなかで無理な工法で竣工が遅れている。管理費がまた上がる話もある。移転した権利者も気の毒だ。


③ピッコロスクエア周辺地区再開発  ●先行するクロスポイント周辺地区再開発を顧みない再開発。173億円もの公費負担。


現在、再開発組合設立認可申請中。この地区の再開発も情報非開示で進んでいる。20軒以上の店舗が対象だが、何軒残るか不明である。

1日、200人近い保育園児が遊んでいる原っぱ「ピッコロ広場」は都有地で約2300㎡だが、議会の同意もなくマンション用地に転用されてしまう。都会の子どもの貴重な遊び場がなくなる。区有地1900㎡も、同じく提供されるが、価格の算定も不透明だ。

再開発の事業の目的は、賑わいの創出。だが、板橋区は地域説明会で「賑わいの創造はこれからの課題」と言い放ち、内部調整すらしていない現実が明るみになった。再開発後の売り上げや税収すら行政は想定していない。内部資料では、173億円もの公費の投入が予定されているが、これも情報非開示だ。


強制立ち退きに反対!の幟が目を引く

再開発事業ではマンションを建設し、権利者以外の部分は保留床として施工者は販売できる。いくらで売るかは自由である。補助金は、余剰出ても返金はないだろう。高層化するほど施工者が儲けるシステムではないか。


また、タワーマンションは、将来の大規模修繕や、建て替えの時期には開発事業者はいない。その時点で管理組合が巨額な費用を負担できる保障はない。誰が負担するのか?


現在3分の2以上の権利者の同意を得たとのことで(これも外部からは検証できない)、再開発組合の認可申請がされている。反対者や店舗を賃貸で営業している方は追い出される。


区が「賑わいの創出」をいうなら、既存店舗で営業を続けて、この地に残りたい希望者は、区が責任もって入居できる仕組みを考えるべきではないだろうか。


④大山駅東地区の再開発(検討中) ●一部の地権者とそれと組んでいる不動産会社の動きに注目!

住友不動産が主導し、2022年5月に地権者だけで協議会を設立、区も検討会を設置し、都市計画の検討を行った。検討会では地域住民にアンケート調査を実施したが、回収率はなんと1割程度! この数字は、現在の都市計画に特段の不満を住民が持っていないことの証左ではないか。


しかし、いったん民間事業者が手を付けた以上、簡単に諦めるだろうか?


東武東上線の高架化にともない(これも地下化の要望が強かったはず)、突然、遊座側に「駅前広場」の計画が持ち上がった。「広場」と言うものの、敷地面積が狭く、バスなどを利用できる駅前ターミナルの機能を果たせるのかは疑問。反対者が多いなかで、測量を進めている。

大山再開発が一目でわかる、便利なマップ

東武東上線大山駅周辺の「馴染みのお店」や「思い出の場所」が再開発エリアからどのくらい離れているのか、気になりませんか? 大山再開発エリアマップ にアクセスしていただけば簡単に調べられます。ぜひご活用ください。

制作者にちなんで「くにおマップ」とも呼ばれています。


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