12月4日の文教児童委員会の概略を報告する(傍聴は8名)。メモに基づく記録で、要約による内容と表現の不十分さはご容赦ください。 【3本の陳情の採択結果】 31号;紛争予防条例に基づく説明会の再開を求める陳情(署名79筆付)→不採択 32号;一貫校学区内の保護者向け説明会を求める陳情(署名121筆付) ①一貫校へ通学する可能性がある子どもの保護者に設計案の説明会を求める→不採択
②「質問コーナー方式」ではなくこれまで同様の説明会形式を求める→不採択
③説明会は該当する全保護者が参加しやすい状況を考えた設定を求める →採択 38号;教育長の出席と応答のある説明会の開催を求める陳情→不採択 不採択は以下の挙手結果による(敬称略) ×自民:長瀬達也 ×自民:横川たかゆき ×公明:鈴木こうすけ ×公明:実正やすゆき 〇民主:くまだ 智子 〇民主:五十嵐 やす子 〇共産:小林おとみ 〇未来:井上 温子 可否同数のため委員長採決 ×議長(自民):中村とらあき 【審議の論点】( )は事務局答弁 今回も自民党と公明党は残念ながら陳情の内容に関してはほとんど質問も意見もなく、最後に「すでに説明は尽くされている」として陳情に不採択でした。 審議は3時間に及び、くまだ・小林・井上・五十嵐委員が持ち時間の20分×2をフルに使って賛成討論を行い、「民主主義とは何か」「熟議とは何か」「決定プロセスの正当性」「説明会の意義」を問う議論の充実と新たな前進がありました。
くまだ委員
地域に支持される学校になるには準備不足
・説明会のゴールは? 説明会は内容を理解してもらうことと質問に答えること、そして参加者の合意を得ることだとすれば、今回はできていなかった。
・この時点でも内容を知らない、説明会を知らない保護者・住民も多い。
・コミュニティースクールは学校運営に参画できる権限があるが本件を議論したのか? 保護者や住民の意見を聞いて代弁したのか?(志村小で形だけ一度あり)
・熟議とは正確な情報をもとに当事者が深く議論しあうこと。それができていないのでは?
・質問コーナーが好評で賛成者が多く、説明会は反対者だけが来ていると考えているなら賛否アンケートを実施すべき。児童館問題では一万件アンケート実施の実績が区にある(どんな学校にしたいかなら実施を検討)。
小林委員 子どもの教育のことを本当に考えているのか?
・協議委員にも検討委員にも近隣住民が含まれていない。必須の当事者ではないか? ・信頼回復を言うなら説明会の再開要求に応えるべき。 ・そこでどのような教育が行われるかが問題。設計案も教育上の目的・効果・検証で十分な納得を得なければならない。 ・質問コーナーで都合のいいパネルや動画で説明するだけでは不誠実。 ・説明会が長時間に及び深夜までかかったのは日を改めて再開してほしいという参加者の要求を退けて納得のいかない説明を続けた事務局の側の責任。 ・オープン図書館の説明に上二中のVTRを見せたようだが、中学だけ300人の校舎と小中合同の1000人の過密な校舎では条件が違いすぎて誤解を与える。フリーアドレス職員室のパネルには実施校校長の吹き出しがあったそうだがその内容は?(「コミュニケーションが学年・分掌を超えて多様になった、気持ちがすっきりする」デメリットには言及なし)。 ・教育現場を知らない人に偏った説明はやめるべき。デメリットも明示し正確で真摯な説明を求める。 井上委員 協議会・検討委員会を利用し、住民合意を捏造 ・協議会委員長の発言は重要。協議会が志村小存続を貫けば一貫校計画はなかったのか?(なかった) ・議事録を読めば最初から協議委員が現地改築を訴えているがそのたびに事務局が無理だと抑えている。一貫校をつくりたかったのは誰なのか? ・行政が結論を決めて地元に審議会をつくり形式だけ装いを整えて民主主義っぽさを出しているだけではないのか? ・「改築6年」説しか示さず、一択で一貫校を誘導している。かつて小林区議が提案したように例えば志村四中に仮校舎を建てて先に改築すれば解決できたはず。 ・協議委員、検討委員は重責を自覚しているのか?関係者を代表しているのか?(この質問に事務局は協議会での検討より2年前に老朽化した学校の改築期を機会に小中一貫校をつくると決めていたこと、一貫校建設は教育長の宿願であることを認める) ・説明が必要な対象をどう考える?(学校教職員、保護者、住民) ・一貫校は志村を先例にというなら広く区民にも説明が必要では? ・他者の意見を聞いてこそ認識が深まる。教室型の説明会は必要。羽田飛行問題のような個別質問形式の説明会で逃げないでほしい。 ・10月の説明会は酷くて、体が整っていなかった。決めた後で変えられないことを前提に行う説明会とは何なのか? 民主的な議論や決め方とはどのようなものか? 検討会、説明会は民主的か?実りのある議論ができておらず、決定責任のない課長の負担が大きすぎる。 ・子どものためというなら保護者だけでなく、子どもの意見を聞くべき。子どもの民主主義教育、主権者教育の機会にするべき案件ではないか。 五十嵐委員 長時間説明しても、住民が納得できない計画は撤回を ・紛争条例をどう理解しているのか? 設計側が説明して終わりではなく、質問に答えるのが条例上の義務。義務を負う側が一方的に打ち切れるものではない。
・これまでの陳情数は?(請願1,陳情7)。 ・これだけ本委員会で問題になっている案件の説明会に参加した委員は?(4人のみ。自公は誰も出ていない)委員は区民の意見を聞くべき。 ・熟議は正確な情報があってこそ成り立つ。借地問題も同じ。情報が不正確な状況での決定ならその時点に立ち返って再検討するのが民主主義。 ・協議会委員、検討会委員はそれぞれの代表と言うが、関係者の意見を聞いておらず説明もせず代弁者とはとてもなっていない。 ・教育委員会の根本から考えなければならない。民主主義が何かわからない教育委員会が子どもに民主主義を教えられるのか? ・長時間説明したから責任を果たしたわけではない。100年続く学校の計画に地元から質疑が尽きないのは当たり前。株主総会でも深夜に及ぶ会議はよくある。問題があったとき責任者が出てこず部下に押しつける会社はない。熟議を求めた住民に非はない。 ・萩市の小中一貫校を見学したが、校地が広く児童生徒数は少なく、板橋とは全く条件・環境が違う。 【余談】最初に長瀬区議(自民)から長時間深夜に及んだ説明会を「異常、施設は警察を呼ぶとも言った。職員も超過労働」と参加者に節度を要求し、柏田課長は関連付けて「東京都はカスタマーハラスメントの対策も強化している」などと発言して住民をクレーマー扱いする場面があった。参加者の再度の説明会開催を受け入れず、会を深夜まで継続したのは事務局である。また、住民は政治や教育の顧客ではなく主権者である。上記の小林委員、五十嵐委員の的確な反論もあり、柏田課長は何度も釈明はしたが謝罪撤回はしなかった。
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