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  • 執筆者の写真TEAMくらデモ

近隣住民の合意を得られなかった「志村小・志村四中一貫型学校改築計画説明会」


狭くて無理! 生徒は2倍、校庭は1/2

2023年3月7日、9日、11日と板橋区教育委員会による「小中一貫型学校改築計画説明会」が開かれた。3回の説明会とも私たちは参加したが、どの説明会でも小中一貫型学校に対する不安が住民から語られた。この計画はあまりにも無理がある。志村小と志村四中の小中一貫型学校の計画は白紙撤回しないと、誰も幸せにならないということが見えてきた。あまりにも土地が狭すぎるのである。小中一貫教育のコンセプトは良いものだとしても、それを実施するのに志村小と志村四中の統合は「狭くて無理」というのが答えだ。


区教委は、当初7階建ての新校舎として計画し、小中一貫校を学区域にもつ地域住民に対して説明会を2022年6月に都合5回開催した(6/3~6/18)。しかし、住民からは、この計画に賛同する意見は出ず、疑問や反対意見が続出した。そこで区教委は7階建てから、5階建て案に変更。新たに設計図を住民に示しての説明会に臨んだ。 5回建て案に変更したことにより、校舎面積はより広くなり、校庭はより狭くなった。現行の志村四中より、面積にして1/2に狭められたことになる。これに対し、区側は周回150mのトラックがとれるとした。しかし、トラック外周やサッカーのエンドラインは校舎や倉庫にギリギリで接するようにひかれており、子ども達の体育学習や部活動に著しい困難をもたらすことは目に見えている。


中学校3年間を日の当たらない教室で過ごすことに

1階の図面を見てほしい。グラウンドは北側。中学校の校舎も北側。1日中、日の当たらない教室で3年間過ごす中学生が出てくる。健康被害がないとは言い切れない。1階に家庭科室と給食室が配置されているが、災害時の避難路の動線に引っかかっている。住民からは、地震が起きて給食室から火災が起きたらどうするのか、との質問があった。「燃えない建材で壁を作ります」との設計会社の答えに、住民は呆気にとられ、煙の問題があるだろうと指摘した。昇降口も小学校と中学校で一つしかない。現在の志村小は2つある。元気な子どもたちで混雑し、ぶつかり合わないか、心配の声も上がった。現在の志村小と志村四中の子どもの様子をしっかりと把握せずに、新校舎の設計が机上で進められていることがわかった瞬間であった。



教室が圧倒的に足りない、居心地の良いオープンスペースがない

2階の図面を見てほしい。生徒会と児童会室は別だが、メディアセンター(図書館)は小中で一緒である。小学生と中学生では発達段階が違う。小学校低学年には見せたくない中学生向けの本もあるだろう。そもそも生徒数が2倍になるのに、メディアセンター(図書館)は狭すぎる。 新しい一貫型学校では固定したホームルームの教室はない。大学の授業のように授業ごとに生徒が移動する。これでは何かと落ち着かない。1階から5階までを、毎時間後に中学生が移動しまくる。全校生で「フルーツバスケット」をやっているようだとの住民から呆れ声が上がった。HBと書いてあるのはホームベースの略で、各生徒に割り当てられるものだが、現在の図面の面積からすると、単なるロッカールームでしかない。 総じて、顔を見ながら集まれる居心地の良いオープンスペースがこの学校にはない。和室もない。不登校の支援教室に使える部屋もない。校長が一人なのは、校舎の設計上、校長室が1つしかできなかったからだと思ってしまう。


志村小と志村四中の統合に同意した住民はどこにいる? 地域住民を苦しい立場に追いやってしまった区教委は計画の見直しを!

今回の3回の説明会で明らかになった最大のことは、小中一貫型学校に賛成している住民と反対している住民のおおよその割合も教育委員会は把握していないこと。つまりは、地域住民が希望していない教育政策(学校新築)を教育委員会が上から押し付けてしまっている事実である。


2019年11月、志村小学校の関係者を構成員とした「魅力ある学校づくり協議会(志村小)」を設置された。この協議会は町会長と学校関係者で基本的に構成されているが、町会に入っていない住民も一定数いる。その声はどうやって反映されるのか? 町会長が、会員に対して志村小の改築問題について意見徴収した形跡もない。PTA会長も入っているが、協議会発足時点でPTAの各会員にアンケートをとった事実もない。


しかも、第1回目の協議会でほぼ小中一貫型学校での整備の方向性が出て、第2回目の協議会では具体的な議論に入っている。議論をリードするのは教育委員会事務局で、協議会のメンバーの違和感に耳を傾けずに、小中一貫型学校の建設方針を既定のように語り、推し進めている。協議会の議事録(要旨)を読み返すと、会長や一部委員との間ですでに話がついている印象もある。


結論的に言えば、多様な地域住民のニーズを反映できていない協議会メンバー。しかも、協議会メンバーのなかにも小中一貫型学校の建設に必ずしも納得がいかない部分もあった。だが、性急に教育委員会の結論が押しつけられた。教育委員会が欲しかったのは、内容のある住民の協議ではなく、住民による協議会で協議しましたという形式(手続き)だったのではないか。


上記の点で、区教委は協議会メンバーを愚弄しており、協議会メンバーは被害者である。と同時に、教育委員会主導の無理な学校計画を近隣住民に押し付けることの正当性に力を貸したという意味では加害者である。被害者であることによって、加害者になってしまう。教育行政は住民を苦しめるのではなく、住民の声をしっかりと聞いてほしい。


小中一貫型学校ありきで議論を始めたがる区教委が 地域住民に志村小をどう残すかを議論させない構図

そもそも、今回の志村小と志村四中の小中一貫型学校の計画は、志村小での工事期間が約6年かかる想定があり、工事期間が長期化することで、学校運営や児童への影響が大きくなるということで始まった。だが、6年間かかっても志村小の現地での建て替えようという選択肢もあったはずだ。少なくともこの選択肢に関して、地域住民への説明や意見徴収はなかった。 志村小での建て替えだと6年かかる。志村四中での小中一貫型学校を新設だと3年で済む。だから後者を選択したというのが協議会の意見を踏まえた区教委の判断だが、それならば、志村四中の中学生の学校運営や児童への影響は考えなくていいのかという話になる。「誰もが置き去りにされない」というのがSDGsの理念ではないか。SDGs未来都市の看板が泣いている。

いったん、志村小の児童募集を止め、在校生が卒業するのを待って、建て替えをすれば、建設に6年はかからない。児童も不便な思いをしなくても済む。その間の新入生は近隣校に行ってもらうことになるが、志村小の落成後、1年生から募集する手もある。小中一貫型学校ありきで議論を始めたがる区教委が、地域住民のあいだで志村小をどう残すかを議論させない。第2回目の説明会では、小中一貫型学校の議論は住民と行政の間でボタンのかけ違いがあるとの指摘もあった。 もう一度、志村小の改築の是非を議論しないと何も始まらない。どう考えても、この計画には無理がある。将来的にこの学校で学び、生活することになる、子どもや教職員のことを十分に考えることのない学校整備を進めてしまった区教委、中川修一教育長の責任は重たい。今回の説明会を経て、志村小は志村小で、志村四中は志村四中で改築する方が理にかなっていると私たちは考えている。

小中一貫教育には可能性がある。そうであるからこそ、拙速な小中一貫型学校の新設を一時凍結し、もう一度議論をし直すべきだと私たちは考える。少なくとも、地域住民を対象に、小中一貫型学校の建設の是非をアンケートなどを通じてとるべきである。そうした声が説明会で地域住民から上がったことを強調しておきたい。

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