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秋山茉莉奈

私はコンシャスでありたい

11月26日(日)、戦争反対・憲法改悪を許さないオール板橋が呼びかけて平和公園から常盤台公園までを歩くピースアクション(デモ行進)が行なわれた。参加者は200名。開会集会での秋山茉莉奈さんのスピーチは、会場の空気を一気に変えるもので、参加者のあいだで現在も話題になっている。ここに秋山さんのスピーチを紹介したい。



板橋区職員労働組合青年部の秋山です。

私は今年の6月に青年部長に就任しました。就任後、情宣ニュースという区職労の刊行物で以下のように語りました。


「私はコンシャスでありたい」


ここにいる皆さんは「コンシャス」という言葉はあまり聞き慣れないと思うのですが、直訳すると「意識的な」という意味になります。


しかし情宣ニュース内では、「コンシャス」をヒップホップやストリートカルチャーの文脈における狭義の意味で使用しました。ヒップホップはブラックカルチャーをルーツに持ちます。つまり、コンシャスあるいはコンシャス・ラップと表現した時に、黒人差別や社会問題を意識的に取り上げるアーティストのアティチュードや楽曲そのものを指しているんです。

 

ではなぜ私が職員向けの配布物に「コンャスでありたい」と大々的に語ったかと言うと、社会で起きていることに対して意識的に考えていかないと、目の前で社会が壊れていくと感じているからです。

 

皆さん、いま私たちの周りで何が起こっていると思いますか。いま、安心して暮らすことが出来る社会だと果たして言えるでしょうか。

 

まず言っておきたいのは、軍備についてです。78年前、戦力を持たないことを自ら定めたのに、今や防衛費という名の軍事費を増やし、軟弱地盤と言われる辺野古の工事をやめず、沖縄に全ての責任を押し付けています。湯水のように税金を使い、軍事を補強し、外交努力を放棄。税金をドブに捨て、いつまでも米軍のために軟弱地盤の工事。


そして何より、一公務労働者として言いたいのが、国が沖縄県に対して行う代執行に関してです。私が公務員試験の勉強をしていた時には代執行はそのように形で習っていません。テキストには「放置すれば著しく公益を害する時に限り」認められると記してあったし、まして国が地方自治体に対して行う運用があるなんて夢にも思いませんでした。そもそもの発端となった「行政不服審査法」も訳の分からない使い方をしていましたよね。そんな前代未聞の運用を認め続けていたら、もう法律で何だって出来ちゃうじゃないですか。


法律が、憲法が、時の権力によりここまで歪められてしまう社会は正直怖くて仕方がないです。国の権力が法律に基づき行使されるのが法治国家です。国が権力を用いて法律や憲法を変えていく社会は、法治国家と言えるでしょうか。

 

また、名前をいうことも、苦しくなるのでいいませんが、自民党はなぜ、国際社会からも問題視されている差別主義者である議員をここまで重用し続けるのでしょうか。先進国であれば即刻糾弾されるほど、彼女は本当に恐ろしいことを言い続けています。日本は他の先進国と比べても人権意識が低いと言われていますが、あまりに酷過ぎます。


先日、ニューヨークのハラルフードの屋台で差別的な嫌がらせをしていた元アメリカ政府高官が逮捕されたというニュースを見ました。彼は「4000人のパレスチナの子どもを殺しても、十分じゃない」などの言動を屋台経営者に繰り返していたそうです。差別を扇動し、個人や地域のコミュニティを傷つけた人を裁く法律があるなんて、心底羨ましかったです。これが当たり前のことであってほしいと願えば願うほど、涙が出てきました。それぐらい真っ暗な現実があるんです。

 

もっと真っ暗なことがありました。


最後に、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃について述べさせて頂きます。イスラエルは国連の場などて、公然とジェノサイド・民族浄化について認めています。それにも関わらず、日本政府はイスラエルとの連帯を表明しました。「ハマスが先制攻撃をした」という人に出会うこともありますが、決して「先制」とは言えないと思います。何十年にも渡るパレスチナへの攻撃、入植化 、アパルトヘイトがあったんです。


ただ、 よく考えてみれば、いまの日本政府がパレスチナに連帯するなんてきっと無理なのかもと思います。法律を曲げ、差別を容認するような中央政府がここしばらく続いていたからです。それに悔しいけど、私たち市民が長年の間、目の前で起こっていた問題に見向きをしなかったからというのもあると思います。正直、絶望的な気分です。


それでも私は、コンシャスであり続けたいし、声をあげることをやめたくないです。

なぜなら、この社会も、この街も、仲間も大好きだから。


だから少しでも多くの人にコンシャスであってほしいと、そう願います。

 

 

 

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