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執筆者の写真はむた@こやぎ村

政治をちゃぶ台返しするのに必要なもの―統一地方選挙を振り返る byくらデモに参加して

わたしは板橋在住のふつうの主婦です。今回の区議選・区長選の投票率アップ運動にちょっとだけ関わったこともあり、今回の選挙はいつになく興味津々で、終わった後も熱冷めやらず。「さあ、総括だ!」と思っていたところ、「統一地方選挙を振り返る」イベントのお知らせが。しかもあの「革命」が巻き起こった杉並から、市民運動の大ベテランがいらっしゃるというではありませんか。これは行くしかないでしょ!

左から、司会の佐武さん、東本さん、和田さん


地下へと続く階段をおそるおそる降りていくと、アジトみたいな小劇場がありました。観客席は満員で、現役議員さん含め政治家の方々や市民活動家の面々が、ずらーっとおられます。気軽に申し込んだことを後悔するわたし……。


予定時刻をやや過ぎて、トークショーが始まりました。板橋の市民運動について、くらデモの和田さんが実にテンポよく概説してくださいます。運動がどこに端を発して、どういう経緯をたどって、いまどこにいるのか。これがいい前座となって、その後の話が頭に入りやすかった。わたしのような門外漢はなおさらです。


続いて板橋区の区長選・区議選のまとめへ。区長選については、候補者の出かた・立て方に、良くも悪くも意表を突かれました。内部事情は知らないけれど、なんだかバラバラだなぁというのが、一介の区民としての率直な感想。もっと対話や議論が必要だった、と今回いただいたレジュメにありましたが、ほんとにそうだと思う。いまの区政を変えたいという思いは一緒なのだから、共闘してきっちり対立軸を作って、現職とたたかってほしい。ただ、そのためには政策を議論する必要があって、イデオロギー抜きでは政策を語れない……結局そこは避けて通れないんですよ。完全に「漂白」するのはどだい無理だよね。求心力という点からしても。


杉並からいらした東本久子さんは、民主主義を血肉化している筋の通ったかたで、口にする言葉の一つひとつに力があった。今回の選挙では、岸本区長みずから投票を呼びかけたり、女性議員が議会の過半数を占めたりして、杉並区は大盛り上がりだったけど、その陰には、東本さんのように市民運動を地道に続ける方々の支えがあったのだな。政党(組織)ではなく個々の人(政治家)としっかり向き合いながら、党派を超えて野党をつないできたとのこと。だからこそ野党共闘が成り立つのでしょうね。


平時の活動movementの積み重ねがあってこそ、選挙campaignの熱狂が湧きおこる。そしてこの熱が消えないよう、movementを持続しながら私たちは日常に戻り、次のcampaignを待つ……。和田さんと東本さんのトークを聞いて、そういう循環のイメージが頭に浮かびました。どちらの動きが欠けても、政治はうまくいかない。わたしたちの手でちゃぶ台返しをし、新しい景色を見ることはできません。

当日の参加者は30名を超えました。

民主主義はとても手間がかかるものです。一人ひとりが自分で考えて、みんなで話し合って、決めていく。効率優先の時代にそぐわない、回りくどいやり方です。なので、選挙の時になっていきなり「有権者なんだから投票行け」「民主主義をまもれ」と言われても、ピンとこない人はいるでしょう。日頃から少しづつ知識を蓄えていかないと、考えたり対話したりもできないしね。


movementを「特定の人がやっている特別なこと」から解放して、市井の人々の手に委ねること。それが本来の民主主義の姿だと思うのです。movementをもっと日常に落とし込んでいきたい。フツーの人が政治をネタにお茶を飲み、酒を酌み交わして盛り上がる。「民主主義って何?」「投票するとどうなるの?」という基本から、大人も子どもも学んでいく。そういう場があれば、投票率なんて自然と上がっていくんじゃないかな。そんなことを考えた小劇場の夜でした。    

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