2021年3月20日 (土曜日) 10:00~@志村第四中学校体育館
この問題、白状すると、ボクは直接の“関係者”ではないこともあって、当初はさほどの問題意識がなかった。
その後、見直し論者の話を聞く機会が多々あり、問題点が多いことを教えられたが、それでも「推進論者の話も聞きたい」との思いもあった(公教育に関することはゼロか百かではなく、何に力点を置くか、何は捨象できるかを熟議すべきと考えて)。 つまりニュートラルなスタンス (のつもり) だった。
そして今日、はじめて行政側の説明を聞く機会が持てた(今日で7回目、最後の説明会とのこと)。
結論から言うと、これは見直されるべき施策だと思う。それも、「平成29年度 小中一貫教育に関する検討会 検討報告書」にまで遡って。理由は・・・
① 結論先にありき
・スライド(含「配布資料」)の構成は、
老朽化した志村小の改築を検討
↓
様々な条件が整わず断念
↓
志四中に志村小の仮設校舎を検討
↓
志四中の改築にも重なり困難
↓
万策尽き小中一貫型学校を選択
という流れになっていて、事実課長の説明もそれに沿ったものだったが、この資料を少々仔細に見ると、志村小の改築を様々な角度から検討していたという「魅力ある学校づくり協議会(志村小)」(設置8か月後に「~協議会(志村小・志四中)」に改称)が設置された令和元年11月の2年も前の平成29年に上記「検討報告書」が出され、その中で「今後の施設整備は、小中一貫教育推進の視点を導入する」ことと、その「小中一貫型学校は、改築等のタイミングで整備することが基本」と書かれているとのことだ。
・つまり、〝協議会〟の侃々諤々の議論というのはわずか1年間のことで、そんな議論が始まる2年も前に区の方針は決まっていた、ということではないのか。
② 民意(住民の思い・アイデア)は後回し
・民意とは何だろう。 次項③にも関わるが、〝いつものメンバー〟を集めて協議することで民意を吸い上げたというのは詐術である(さもなくば単なる錯覚である)。
・関心があったり直接的利害があったりしても、〝その他〟の住民が意見を言えるのは、今日のような「説明会」の場だけというのが現実である。
・そして、この時点ではすでに施策は固まっている。今日も、3時間という時間を擁しても(この手の行政の説明会で時間を途中で切らなかったのは画期的ではあるのだが)、説明会では行政の考えは1㎜も変わらないということを実証しただけに終わった。
③ 専門家の考えはどこに
・今日、教育が様々な問題を抱えていることは疑義のないところで、それらを解決するための専門分野も多岐にわたっている。
・受益者が生身の子どもたちである本件の検討にも、教育心理学や教育発達学などの学問的視点が必要だと思うのだが、それらの観点から検討したという事跡はついに説明されなかった。
・検討したという協議会委員は、「志村小・志四中関係者、PTA会長等、町会長等、CS委員、学校長」等だというが、専門家と呼べる人は誰だろうか。
・また、この方々は本件を検討するために選ばれた人たちと言えるだろうか(受任適格性)。
(※CS委員とは、「コミュニティ・スクール委員会(CS委員会)の委員」とのこと。今年度からの制度らしいが寡聞にして知らなかった。誰がどんな人を任命しているのか?)
・都市計画でもさんざん味わわされたが、町会もPTAも、区から助成を受ける行政の別動隊の側面もある(異見はあろうが)。
④ 以上の私見を反映するように、
・1 これまでの協議経過 (下図)に、突如「意見書」というものが出てきて一気に小中一貫型学校への奔流となっていく。
・あとはもう、これでもかと言うほどの「小中一貫型の学校の利点」の氾濫になっている。
・本当にそんなに良いことづくめだろうかという疑念を紛らわすように、肝心なところが横文字になっているのは偶然か。FLC、iCS、iカリキュラム、ESD、FEEL、THINK、ACT、INPUT、OUTPUT・・・
・ここまで来ると、協議会の役割も(さらにはこの説明会の意味すらも)、できレース(ヤラセ)感に満たされたものとなっていると思う。
〝SDGs〟も〝いたばしNo.1実現プラン〟も、掛け声は良いが、内実はすこぶる怪しいと思えるが、本件はことが教育だけに、怪しいではすまされない危うさを感じさせてもらった説明会であった。
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