区議会の論点:災害発生時、避難所にあったら助かる備蓄品は何でしょう?

 災害が発生し在宅が危険となれば非常用持ち出し袋を持って避難所へ向かいますが、さて、避難所に何が用意してあるかご存知ですか?


 水・食料・毛布などが保管してあることは、テレビのニュースを見てなんとなく知っていましたが、区内避難所備蓄物資一覧をチェックしたら、9種類の物品がありました。


① 水

② 食料

③ 防寒具

④ トイレ関連用品

⑤ 衛生用品

⑥ OTC医薬品

⑦ 医薬部外品等

⑧ 調理器具

⑨ 資器材


 以下は、志村小学校の備蓄品一覧です(文字が小さいので、拡大してご覧ください)。避難所に何人くらいの人が集まることを想定した量なのかが気になります。この機会にご自宅付近の避難所の備品リストを調べてみませんか? 


備蓄物資 ①水
備蓄物資 ①水
備蓄物資 ②食料
備蓄物資 ②食料
備蓄物資 ③防寒具
備蓄物資 ③防寒具
備蓄物資 ④トイレ関連用品
備蓄物資 ④トイレ関連用品
備蓄物資 ⑤衛生用品
備蓄物資 ⑤衛生用品
備蓄物資 ⑥OTC医薬品、医薬部外品等
備蓄物資 ⑥OTC医薬品、医薬部外品等
備蓄物資 ⑦避難所運営用品
備蓄物資 ⑦避難所運営用品
備蓄物資 ⑧調理器具
備蓄物資 ⑧調理器具
備蓄物資 ⑨資器材
備蓄物資 ⑨資器材


 さて、昨年度、無所属の会のしいなひろみ議員が避難所の備蓄品について質問していました。しいな議員の避難所運営に際しての的確なアドバイスをぜひ取り入れて欲しいと思い、2021年2月26日に開催された予算審査特別委員会の質疑を採録します。


しいなひろみ議員:   来月で東日本大震災から10年目を迎えます。2月13日の夜に起こった地震では、神奈川県や埼玉県の一部で停電する事態が起こりました。幸い短時間で済みましたが、災害時に停電が発生すれば、様々な不安から、日のあるうちに避難所に避難される方も増えるのではないでしょうか。コロナ禍で防災訓練がなかなか実施できない中、私の住む地域では昨年11月20日に学校防災連絡会として、北野小学校で地域の町会長さんなどが集まりました。ここは地震のときのみ避難所となります。実際に避難所となる学校体育館で、避難所開設ボックス、避難所開設関係書類一式も開けて、中身の確認や備蓄倉庫に出向き物品配置や品物の確認をしました。


※TOPPANの「 自治体向け 避難所開設キット」説明動画

 備蓄物資に関しては、5分の1か所ずつ5年計画で交換なども行うということですが、この備蓄品は、東日本大震災や熊本地震などの教訓を生かした中身になっているのでしょうか。福祉目線、女性目線で確認したところ、いろいろな課題が見えてきました。

 お手元の資料をご覧ください。  具体的には、命からがら避難所に歩いてきた高齢者や障がい者が、避難所内で歩行に問題が出ても、車椅子の設置がどの避難所にもありません。移動とトイレは密接で、すぐに必要です。例えば北野小学校ですと、入り口にトイレがあり、体育館の奥行きは33メートルあります。もし体育館の奥のほうで避難となった場合、トイレへの支障が出るのが高齢者や障がい者です。一方、松葉杖は各避難所5組ずつありますが、歩行に支障が出た高齢者が松葉杖を使いトイレへ移動するのは考えにくいです。どのような理由で5組も配置するのでしょうか。高齢者は移動に問題が出るとトイレも我慢する。そのため水分を控えたりし、脱水になることも見受けられます。本区の高齢化率は23%、つまり4人に1人近くは高齢者です。ぜひ各避難所備品に車椅子の配置をしてください。防災対策には高齢者問題を考えるべきではないでしょうか。

 そして、赤ちゃん用には哺乳瓶と粉ミルクしか備蓄されておりません。免疫力の弱い赤ちゃんは、都度、哺乳瓶を洗い、ミルトン液などにつけて消毒の必要があります。母乳を飲む赤ちゃんもお母さんの被災のストレスで母乳が止まってしまう可能性もあります。避難してくる赤ちゃんのために洗浄ブラシとミルトン消毒液も準備してください。

 女性の衛生用品も生理用のナプキンしかありません。10年前の東日本大震災では、被災された方が2週間汚れたパンツを取り替えられずに過ごし、とてもつらかったという事例もあります。避難してくる女性のために、パンティーライナーを準備してください。

 また、避難所ではトイレの行列、運動不足、栄養の偏り、ストレスの影響で便秘のトラブルが多く発生します。繊維質の栄養確保にもつながる缶の野菜ジュースもぜひ備蓄品に必要ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

危機管理室長:   区では、専門家の意見や過去の大震災で実際に必要になった物資などを踏まえまして、平成25年に板橋区災害応急対策用物資備蓄体制最適化計画を策定しました。これにより、発災後3日間の生命と健康の維持に必須の物資を選定して配備しているところでございます。公助による備蓄で避難者の様々なニーズを全て満たすことは困難であるということから、独自に必要とされるもの等につきましては、自助による家庭内備蓄を呼びかける中で、区民の皆様に協力をお願いしているところです。この7月、夏に防災・くらしガイドを改定する予定でございますけれども、そういった中でも避難所にお越しになる際の物品等を掲載していこうと、今検討している最中でございます。

 車椅子ですけれども、避難所において車椅子が必要となった場合につきましては、地域センターや福祉事務所などの区施設で貸出しを現在行っている車椅子がございまして、こちらの活用ですとか、各種協定を活用することによって対応していきたいというふうに考えているところでございます。

しいなひろみ議員:    ありがとうございます。私のほうで23区の車椅子備品状況を調べたところ、高齢者割合が21%以上の区は、23区中12区、うち7区は災害用に車椅子を既に備蓄しているということが分かりましたので、ぜひ前向きにご検討ください。



◆参考資料


板橋区ハザードマップ

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/area/itabashi_bousai/


区内避難所備蓄物資一覧

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/005/690/attach_48413_2.pdf




区議会の論点とは?  私たちの暮らしに密接に結びついている区政。板橋区議会ではどんな議論がなされているのか。その議論からは私たちの暮らしの問題点が浮かび上がります。区議会の論戦をここに採録し、板橋区の諸問題を眺めていきます(毎週火曜日連載)。


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