区議会の論点:板橋区スマートシティ協議会は傍聴不可で議事録も非公開

私たちの暮らしに密接に結びついている区政。板橋区議会ではどんな議論がなされているのか。その議論からは私たちの暮らしの問題点が浮かび上がります。区議会の論戦をここに採録し、板橋区の諸問題を眺めていきます(毎週火曜日連載)。


 2020年3月10日に予算審査特別委員会 区民環境分科会が開かれ、無所属の会の井上温子議員が環境政策課長に対してスマートシティに関する質問をしていました。井上議員は、行政の痛いところをグイグイ追求するスタイルなので編集作業が楽しいです。


プロジェクトが暗礁に乗り上げ次年度は運営方針が変わる


井上温子議員:   スマートシティについて、主要施策の38ページなんですけれども、スマートシティに関しては、今回提案募集はなしということでよろしいのかお伺いします。

環境政策課長:   スマートシティにつきましては、これまで民間の事業者の方から様々な提案を受けるというような事業の方法ということでやってきたんですけれども、その提案事業の中で区の課題とか、そういうものになかなかマッチしないものも結構ありまして、その中で、来年度からは、区の課題を新たに洗い直して、その中で、それに対して提案をしていただける民間事業者の方をできればプロポーザルで選定させていただいて、その課題解決に当たるような事業を提案していただきたいというようなことに展開していきたいというふうに考えております。


スマートシティ推進協議会 主な役割と組織構成イメージ

井上温子議員:    スマートシティって、もともとその区の課題にマッチするかしないかということが大事だったんですか。

環境政策課長:   全てその区の課題にというわけにはいかない部分があるかもしれませんけども、少なくともIoT(Internet of Things)等を活用したまちづくりということを目指すところでは、やはり区で持っている区の中の課題をちゃんと洗い出して、そこに対する解決の提案をしていただけるようなことが近道であるのかなというふうには考えております。


審議経過を公開しないとプロジェクトが失敗につながるのでは?


井上温子議員:   スマートシティについていろいろ調べようかなと思ってホームページを見させていただいたんですけども、まず議事録が公開されていないですかね。傍聴も不可、非公開というふうに見たんですけど、間違いないですか。

環境政策課長:   その辺りは、すみません、ちょっと確認させていただきます。

井上温子議員:   担当の課長がそこを知らないというんだと、全然施策としてはちょっとどうかなと思っていて、私はスマートシティの協議会の議事録を見たいなと思って見たところ、次第というか、話合う事項しか書かれていなかったんですね。傍聴は不可とするというふうにありまして、スマートシティって、もともと最初に委員会で計画を聞いたときは、すごく夢がある話だなと思って、期待を大変しているプロジェクトであったわけなんですけども、ああいう区民参加型で事業者が提案してきてもらうというときに、審議の経過が読めないというのは、そもそも失敗の要因につながるんではないかなと思うんですけども、いかがですか。



第10回スマートシティ推進協議会 会議録
第10回スマートシティ推進協議会 会議録


環境政策課長:   申し訳ありませんでした。非公開になっているということは今お伺いしまして、今後、その在り方等につきましては、どのようなものが適切なのかどうかというのは確認しながら研究していきたいというふうに思っております。

井上温子議員:   プロポーザルにしてしまうと、結局、せっかくスマートシティというのでみんなでやっていこうとやっていたのが、今までとあまり変わらずに、板橋区が自分たちが解決したいことを何かやってくれる人はいませんかで公募にかけるような話になってしまって、もともとの計画から大きくそれてしまうと思っています。ああいうバックキャスティング手法 (※1) を使っているということで、当時の委員会でも何だそれはみたいな議論もありましたけども、未知のことをやるときには時間をかけないと熟成していかないと思うんですね。

新規事業を成功させるために変えるべきモノとコト

 板橋区って、市民活動も含めて、NPO活動も含めて、新たな事業者が面白いことをしてくれる機会というか、提案してくださる機会というのがすごく少ないように思っていて、それを時間をかけて熟成させていくというか、発展させていく辛抱みたいなものが必要なんじゃないのかなと。一、二年ちょっと駄目だったからやめます、プロポーザルにしますよとやっちゃうと、何かつくってきたものがまたゼロになっちゃうんではないかなと。  さらに、協議会のメンバーとかを見ると、既存の方たちが多くて、特に新たなことをやった実績のある方とかは入られていないように思うんです。そうすると、その議論とかも発展性がないのかなと思うんですね。だから、もったいないなというところがあって、その辺をきちんと趣旨をもう一度見直すということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。



板橋区スマートシティ推進協議会委員名簿 平成29年10月6日
板橋区スマートシティ推進協議会委員名簿 平成29年10月6日現在

環境政策課長:   区発というふうに言っておりますけれども、区のある程度その課題を見つけ出して、それに対してプロポーザルをして提案をしていただくということで、この辺りが当初の考えからずれていくのではないかというふうなお話ですけれども、まず区のほうの課題を出すときに、区職員そのものも様々ないろいろ自分たちの課題を改めて見直して、それに対して勉強を重ねるという部分があった上でのプロポーザルをやっていきたいというふうに思っておりますので、大きくその計画や考え方からはずれるというふうには今のところは考えておりません。  ただ、今までどおり行っておりますと、本当にちょっと事業者の方々から提案を受けたものが貴重なものの確かにいろいろございまして、今後の参考になるというものも多々あるというふうには認識をしておりますけれども、より課題に近づけて、それを解決していく近道というのはこの方法がいいのではないかというふうに今考えているところでございます。


受動的な仕事から能動的な仕事への転換が不可欠


井上温子議員:   こういった事業をやるときに、プロデュース能力というのがすごく問われると思うんですけども、区として、いろんな事業者さんのところに伺って話を聞いたりとか、つなげたりということはされてきているんでしょうか。待っていても提案って来ないと思うし、事業の趣旨だって皆さん理解されていないと思うんですね。自ら区内の団体さんとかを調べて、様々な思いや取組みをされている方とかいらっしゃいますよね。そういった方たちのところに訪れて、話し合っているのかな、自ら出向いていくという姿勢が必要だと思うんですけど、いかがですか。

環境政策課長:   これまでに出向いたかどうかというのは、ちょっと確認をする必要があるんですけれども、基本的には今までは来ていただいて提案を受けているというような状態だと思います。    今回、地球温暖化対策実行計画の中で、事業者の方々にどういう取組みをしているのかということはお聞きしているんですけれども、このちょっと趣旨とは違う部分になりますけれども、やはり事業者の方々にほかにアンケートも500社程度取っておりまして、どういう取組みを皆さんされていて、どういう課題をお持ちなのかというのはアンケート等で把握しつつあるという部分もありますので、直接場合によっては事業者の方のところに伺って、どういう課題、我々の課題があって、事業者の課題もあるということ、その辺りで区の課題についてどういうふうなお考えをお持ちだということは、場合によっては直接伺ってお話を伺う姿勢というのは拒むものではないというふうに考えております。


※1 バックキャスティング手法 未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って現在すべきことを考える方法。地球温暖化対策のように、現状の継続では破局的な将来が予測されるときに用いられる。




◆参考資料


板橋区スマートシティ推進方針

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bousai/smart/houshin/1005763.html


スマートシティ官民連携プラットフォーム

https://www.mlit.go.jp/scpf/index.html


資源環境部 環境政策課

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/soshiki/shigenkankyo/1007017.html

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