区議会の論点:どうすればいいの?増え続ける板橋区の空き家と空き室

私たちの暮らしに密接に結びついている区政。板橋区議会ではどんな議論がなされているのか。その議論からは私たちの暮らしの問題点が浮かび上がります。区議会の論戦をここに採録し、板橋区の諸問題を眺めていきます(毎週火曜日連載)。



 2021年1月21日の都市建設委員会で、民主クラブの高沢一基議員が住宅政策課長に板橋区の空き家と空き室について質問していました。近所を散歩していると、人気のない建物に気が付くことが多くなり、防災や防犯の面からも安心して暮らせるまちづくりが必要だと思いました。



板橋区で最も空き家率が高いのはJR板橋駅付近で6.9%


高沢一基議員:   今回の実態調査によって、区内の空き家や空き室の状況というのが見えてきたのかなというふうに感じさせていただいております。

 そこで、ちょっと質問させていただきますけれども、板橋区の特徴というんですかね、イメージ、いいところということでいくと、住まいに関してのことでいくと、やはり都心への交通の連絡が非常によくて利便性が高い。あと緑や緑地等、公園とか、そういったものも多くて住みやすいというのが板橋区の魅力かなというふうに思っていますので、まずその中で今回については駅に近いところ、駅周辺という視点で、この実態から今後の対策について伺いたいと思います。なおかつ、空き家と空き室を分けて質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、空き家からについてなんですが、駅近の空き家についても、この資料でいきますと67ページですね、実態調査の。500メートル以内の駅近距離、500メートル以内の空き室・空き家率ということで示されています。

 JR板橋駅が6.9%で一番高いというところで、あと東武東上線の下板橋駅も4%ですかね。それから、東上線ですと上板橋駅が2.9%東武練馬駅が2.5%ということで、都営三田線ですと、私が住んでいます最寄り駅の板橋本町駅は3.4%とちょっと高めですよね。あと本蓮沼駅が3.3%志村坂上駅が3.6%ということで、駅近であっても空き家がそれなりに存在しているという実態が今回分かったわけでありますけれども、まず駅近というか、空き家が発生する原因、要因というのは何なのかということで、今回の調査では59ページに、相関性を持った解析結果というものを示しておられます。



駅近物件の空き家率


かつて栄えていたまちに空き家が存在する理由


 最寄り駅の距離との相関関係というのは、当然駅に近いから住みたくないということはないと思うので、当然少ないというのは当たり前かなと思うんですけれども、この空き家率の相関関係で一番多い要因は、平均築年数ということが相関関係があるということで解析されているので、駅近のところの空き家においても、やっぱり古い建物が多いのが要因なのかなというように感じているところなんですけども、その実態についてこの数値から現在、住宅政策課として駅近で空き家がそれなりに存在する要因についてはどのように認識されているかお聞かせください。

住宅政策課長:   駅近で空き家が多く存在するということでございますけども、ある意味、駅近で何らかのまちづくり的な思いがあるところは比較的解消されているところがございますし、ただ、例えば板橋、下板橋駅の付近は、早くから開けてきているところということであれば、そこから時間がたっていると。その先の本町、蓮沼、坂上というところについては、確かに地下鉄は走っていますけども、地上の部分については、それほど動きがなかったということで、恐らく古い空き家が残っているというような状況で、それは町が開けた時期とか、あるいはそういう何らかの開発的なものがあったか、なかったかということが、大きく起因しているのかなということで認識しております。




どうすれば空き家を解消できるのか?


高沢一基議員:   空き家、あるいはあと空き室もそうなんですけど、それが悪いという前提じゃなくて、先ほどおっしゃった防災上とかも含めてストックという関係もあるので、一定量の空き家・空き室は必要だと思うんですけれども、ただ空き家・空き室が多いとやっぱり町のにぎわいということにおいては印象が薄くなってしまったりとか、あるいは定住人口を増やそうという、ずっと住むなら板橋区というのはここに書いてありますけど、区の目標ということでいくとやっぱり減らしていこうというのは1つなのかな。

 需要と供給のバランスで、もちろん空き家というのは出てくるんだと思うんですが、今お話ししたように、駅に近くて便利なのに空き家があるというところについては、今ご説明いただいたように、古くからの住宅地、商業地として利用されていた地区というところなので、それを今後どう対策を取っていくのかというのが、やっぱり大切なのかなというように思っているところであります。

 古い建物が多いということになると、先ほどの老朽建築物の対策と同じように進めていかないといけないでしょうし、区画整理事業が未実施というところについては、それを実施するように推進しないといけないかなというふうに思うんですけれども、そういった今回の調査結果を受けて、今後先ほどもちょっと話ありましたけど、他の所管課と連携をしながら、その空き家の解消、特に駅近のところの空き家の解消について進めていこうというような、そういったようなお考えについて、現状どのように検討されているかお聞かせください。

住宅政策課長:    今回の空き家実態調査を受けまして、今後まちづくり部署等とこの情報を共有いたしまして、例えばそういう空き家の多いところについて、そういう状況を踏まえてどういうまちづくりをしていくのかというのは課題となってまいりますので、そういうところを引き続き進めてまいりたいということで思っております。

高沢一基議員:   ぜひせっかく実態調査をされたので、いろんな計画があるんだと思うんですけれども、実行に移していっていただければなとは思うところであります。



駅近のワンルームは供給過多ゆえ空室率が高い

 あと続いて、この空き室についてなんですけども、今回のこの委員会資料の概要版のほうの5ページ最後、空き家の発生状況の中に③で、駅から近く、利便性が高い地域においても、空室率の高い賃貸住宅が見られるということで一応示されています。


空き家の発生状況

 この調査報告書の本文でも77ページに、そういった駅に近いところで空き室があるよということを示されているんですけれども、これについてなんですけれども、空き室の先ほどの相関関係、75ページを見ますと、先ほど空き家の場合には、平均築年数というのが相関関係があるんですけど、空き室の場合には、平均築年数は相関関係がない結果が出ています。唯一、相関関係があるというのは1世帯当たりの人員というところで、JR板橋駅の近くが空き室が多い理由というのは、一人世帯が非常に多いので、それで空き室が多いという、そういうような相関関係がここに示されているところなんですけれども、この駅近のマンション等の空き室がこのように発生しているということを今話をしたんですけれども、それに関しての現状の分析、それはどのように見解を持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

住宅政策課長:    確かに駅近のところで空き室が多いということで、私どものほうへ回ってくるいろんな資料を見てみますと、やっぱりワンルームの建設が結構多いということで、そういう意味では住宅供給が、そういう意味では小さい部屋数が多い中で供給過多的なところも少し見えてきているのかなということの認識を持っているところでございます。



高沢一基議員:   そうですよね。確かに私も同じ認識を持たせていただいているところなんですけれども、ワンルームですとやっぱり入れ替わりが激しいから、その分空き室はあるんだろうなというように思うので、ワンルームの空き室だけを減らしていくとなると、ワンルームとして成り立たないというのが1つ出るんだろうなというようには推測されるんですが、ただ先ほどずっと住むなら板橋区という定住定着ということを区が目指すならば、やはりその政策の方向は考えていかないといけないのかな。

 現在、JR板橋の地区計画でも、ワンルームマンションでもファミリー層を増やそうという、今計画されておられるということも聞いておりますので、そういったまちづくりの中で、本当にワンルームが多くある町でいいのかということも含めて、ぜひ今後も検討して進めていただく必要があるのかなというふうに思っています。



家賃が安くて急行や準急の止まる和光市は板橋区より人気がある


 あと、それだけじゃなくてもう一つは、駅近で、マンションでそんなに古いわけでもないのに空き室が多い原因、これもやっぱり町のにぎわいという観点からすると、ぜひ調査をしていただきたいなというふうに思います。

 簡単には言えないと思うので、難しいところはあるんですが、私の率直な感想でいくと、例えば東上線とかで、一般論で言わせていただくと、埼玉のほうが家賃が安いんですよね。やっぱり板橋のほうが少し高いと。そういった中で高い家賃で東上線の駅の近くに住むよりは、安い家賃で和光市だとか、埼玉に住んだほうがいいかなと。しかも、和光等だと東上線、池袋まで快速ですぐ行くんですけど、板橋区内ですと各駅で何本も抜かれると。しかも、よく電車が止まることも多いとか、あるいはホームドアが整備されていないとか、安全性が危険だと、あるいは踏切のこともあるとか、そういった鉄道事業者の在り方というのも、大きくこのまちづくりに関係するのかなというふうに思うんですが、そういった鉄道事業者との意見交換だとか、いろんな部分における要望であるとか、そういったものについてはどのようにお考えなのか、最後にお聞かせください。

住宅政策課長:   今、委員のほうから話がございましたけども、やはり駅近でマンションの空き室が多いということで、確かに速達性ですかね、目的地に行くための速達性において、板橋区のほうで各駅が多いということで、そういう意味では抜かれることで時間がかかっているということも、板橋区がそういう意味では選ばれていない理由も一理あるかもしれません。

 そういう意味では、鉄道事業者等と関係の協議をする場というのは、都市計画課だと思いますけども、そちらのほうで一応ありますので、そういう意味では当然鉄道事業者だけではなくて、当然まちづくりともセットでやっていかなきゃいけないところがございますので、そういう意味では引き続き庁内でも情報を共有しながら進めてまいりたいということで思っております。

高沢一基議員:   ありがとうございます。情報を共有しながら進めるというお話をいただいたんですけど、ぜひ鉄道事業者に今言ったような運行の状況ですね、快速云々ということとか、ホームドアがないとか、踏切だとか、立体化だとかという話については、安全だとか、交通の面での対策って必要なんですけど、その視点だけじゃなくて、今回こういうのを出していただいたので、住宅政策としての視点であったりとか、あるいはまちづくりとしての町の魅力度を上げる視点を、それをやはり鉄道事業者に伝えるということも大切だというふうに思いますので、今ご答弁いただいたような連携を図りながら、しっかり鉄道事業者に対して声を上げていっていただきたいと思います。




◆参考資料


板橋区における空き家数

建物の状態測定

住宅対策審議会

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/tetsuduki/sumai/keikau/1002123.html


板橋区空き家利活用実態調査の調査結果について

都市建設委員会資料 令和3年1月21日・22日

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/196/r30121_tos_5.pdf


空き家対策(利活用)について 都市建設委員会資料 令和元年8月29日・30日

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/982/attach_99117_1.pdf




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