TEAMくらデモ

2023年5月22日4 分

教科書展示会へようこそ〜小学生が新しく使う教科書を決めるのに、教育委員会は区民の声を求めています。

最終更新: 2023年5月24日


 
デジタル化、アクティブ・ラーニング、愛国心教育


 
今年は来年度から使用される新しい小学校の教科書採択が行われます。今回は全 11 教科で 149 点の教科書の申請があり、いずれも文科省の検定を合格しています。すべての教科書に QR コードが付いデジタル化が加速し、「子どもの主体的・対話的な深い学び」である「アクティブ・ラーニング」が意識されたつくりになっています。
 

 
もっとも、子どもに「アクティブ・ラーニング」させようとするがために、教科書に「アクティブ・ラーニング」のための記述や指示が書き込まれすぎているきらいもあります。一言で言えば「お節介」な教科書。そのために、教科書を活用しながら、教師が教室の子どもの興味や関心に即して、創造的な授業を展開することがかえって難しくなっている。言うなれば、「アクティブ・ラーニング」の名の下に、教科書をひたすらになぞるような、これまでのよう授業が展開する逆説的な状況が生まれています。
 

 
第一次安倍政権の2006年に教育基本法は改正され、「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」の愛国心教育が推奨されることになりましたが、その影響も大きく、社会科や「道徳」などでは政府見解にもとづく事前の記述変更や文科省の修正要求も目立ちました。個人の尊厳が核となる人権としての教育が後退し、国家に従順な国民を育む教育がせり出しているのも実際です。日本の教育は曲がり角に来ています。
 

 
小学校で使う教科書を実際に手にして読んでみよう!
 

 
学校での学びの基本となる教科書。子どもにとってどんな教科書が求められるのか、教師にとって教えやすい教科書とは何か、これからの日本社会や国際社会をより良いものにしていくにはどういう学校知識が必要なのか。そんなことを考えながら、来年度から使用される新しい小学校の教科書を実際に手に取って読んでみて、その感想や意見、疑問点を板橋区教育委員会に伝えることができる教科書展示会が、6月の上旬から中旬にかけて以下の日程で行われます。

教科書を採択するのは教育委員会ですが、教育委員は展示会での区民の声を採択の際の参考にしています。つまりは、区民が教科書展示会に行って、見て、読んで、意見を書くことは、教育行政への区民参加ということです。それは、教育におけるデモクラシーです。

板橋区での次年度小学校教科書採択に関する日程
 
●板橋教科書展示会
 
【展示期間】 6月6日(火)〜6月29日(木)
 
【展示会場】 区役所教育センター 9時〜17時
 
       成増アートギャラリー 10時〜17時(第3月曜休館)
 
*高島平図書館は 6月12日(月)〜16日(金)10時〜17時
 

 
●教育委員会の採択討議は自由に傍聴できます
 
 7月27日(木)・8月3日(木) 区役所北館6階 

展示会ガイドとなる区民講座もあります!
 

 
教科書問題というと、道徳や社会科がつい浮かびがちですが、他の教科の教科書も面白く読めます。同じ教科書でも、会社によって書き方や観点も違っていて、比較しながら読むのもおすすめです。教科書展示会は、今の小学生がどういう学びをしているのかを知る格好の機会です。

板橋区内小中学校の現場教師や専門家、父母や区民で構成されている「板橋子どもと教科書を考える会」では、教科書展示会に合わせて、6月2日(金)18時〜20時、板橋区グリーンホール101を会場に「板橋の子どもと教育をいっしょに考える区民講座」(参加費500円)を開催します。誰でも自由に参加できます。
 

 
区民講座を受講し、教科書展示会のポイントを押さえて、実際に展示会に行くのもありだと思います。板橋の教育をより良いものにしていくために、区民として声を上げていきましょう。


 
板橋の子どもと教育をいっしょに考える区民講座
 
日時:6月2日(金)午後6時〜8時
 
場所:板橋グリーンホール101会議室 参加費(会場・資料代)500円
 

 
●話題提供1 鈴木敏夫さん(子どもと教科書全国ネット21 事務局長)
 
「新しい小学校教科書を読み、教育のこれからを考える」
 
新しく教科となった「外国語(英語)」や「特別な教科 道徳」「プログラム教育」はどうなっているのか、QRコードなど電子化が進み、淘汰や寡占化も危惧される教科書会社の現状や強まる文科省の検定実態などの問題点を分析します。
 

 
●話題提供2 若林玲子さん 現文京区(前板橋区)小学校教諭
 
「若手教員からみる教育現場〜子どもと教師と教科書と」
 
国語や道徳の教科書と題材について実際の指導の感想や子どもたちのようす、IT化が進み電子黒板や子ども一人ひとりのタブレットはどう利用されているのか、小学校の学校現場で子どもや先生ははいまどういう状況なのか、若手の先生のリアルな報告です。


 

 

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